新サービスの料金とそのメリットを紹介
SIP採用でビジネスとの親和性が高い無料インターネット電話サービスが注目されています。Skypeとの違いとメリットを徹底解説! 1.Gizmoプロジェクトとは?  Gizmo(ギズモ)プロジェクト(以下「Gizmo」と表記)は、もともと米国SIPphone社が2003年にスタートしたインターネット電話サービス。2005年にベンチャーキャピタルからの投資を得てから「Gizmoプロジェクト」の名称でサービスを拡大し、インターネット電話同士のみならず、固定電話や携帯電話との無料通話(Gizmoからの発信のみ、通話時間制限あり)の60ヵ国以上での提供、Yahoo! MessengerおよびAIM(AOLが提供するIM)、Windows Live Messenger、Google TalkやJabberなどのIMとの音声接続など、多彩なサービスを提供してシェアを伸ばしている。  Gizmoは、公式サイトよりダウンロードしてインストールすれば、誰でもすぐに利用することができる。 1−1 Skypeとの違いは?  先行する無料のインターネット電話サービスとして、専用のハードウェアまで発売され、日本でも知名度が高く利用者の多いSkypeがあるが、同じ無料インターネット電話のGizmoにはどういった違いがあるのだろうか。 ・センター型だから、セキュリティの心配なし  原則的にP2P(ピア・ツー・ピア)のネットワークで動作するSkypeの場合、通話を行っていないときにも、他のSkypeノード間の通話の中継等の処理を常に行っているため、CPUパワーを消費してしまう。また、ファイアウォールを越えて無関係なパケットの出入りを許してしまうため、セキュリティ上問題があると考える向きもある。Skypeの通信は暗号化されているので盗聴されるリスクは高いとはいえないが、実際にはセキュリティ面での懸念のためにSkypeの使用を禁止する企業も少なくない。  一方、Gizmoはセンター型で、他のGizmoユーザの通話を中継することはないため、企業での導入においても上記のような心配はない。 ・国際標準のSIPプロトコルを採用  Gizmoの通話は、セッション制御プロトコルとして、インターネットの標準化団体IETF(Internet Engineering Task Force)が標準化を進めているSIP(Session Initialization Protocol)を用いている。SIPはセッションの開始、変更、終了のみを行うテキストベースのメッセージフォーマットであるため、音声通話以外のさまざまなデータ通信を、特別な仕様拡張なしで行うことができる。さらに、SIPを用いた無料インターネット電話サービスはGizmoの他にも存在するが、そうした別のプロバイダのSIP電話とも、シームレスに通話することが可能なのだ。 ・Asteriskとも相互接続  オープンソースのAsteriskはPBX(Private Branch eXchange:構内電話交換機)用ソフトウェアだが、AsteriskもSIPを通信プロトコルに採用しているので、当然のことながらGizmoクライアントはこのAsteriskとも標準で接続することができる(図1)。  もちろんAsteriskに限らず、SIPを採用するIP-PBXのほとんどに接続できる。つまり、インターネット電話サービスと社内のIP-PBXとの違いは、Gizmoクライアントから見た場合、ローカルのサーバにログインするか、グローバルネットワークのサーバにログインするか、という違いしかない。これが、SIPという標準プロトコルを採用したことの最大の強みである。Gizmoクライアントは、バージョン3から主要なIMとの通話も可能となり、音声コミュニケーションのクライアントがこれ1つで済んでしまうほどに多くの機能を備えたといえる。 他のVoIPサービスにもここからログインできる 1−2 一般回線へのCall OutとCall In  Gizmoから固定電話や携帯電話などの一般回線に電話を掛けることをCall Outと呼び、逆に一般回線からGizmoへと電話する場合はCall Inと呼ぶ。これは、SkypeにおけるSkypeOut、SkypeInとほぼ同様のサービスである。 ・Call Inサービス  日本におけるGizmoのCall Inサービスは、世界各国の通常の電話番号を購入し、その番号からGizmoアカウントへの転送を受ける形で提供される。日本では、2007年9月現在は東京都の03ナンバーのみが対応している(図2)。  料金は国および番号によって異なるが、東京03の場合は、3ヵ月で31ドル、12ヵ月で80ドル(2007年9月現在)である。この料金を支払えば、世界中どこにいても、インターネットにさえ繋がれば、日本の一般電話回線からの電話を相手方の国内通話料だけで受けることができるのだから、使い方次第では決して高いものではないだろう。ちなみに欧米諸国のCall Inナンバーはこれよりはるかに安く、3ヵ月で12ドル、12ヵ月で35ドル程度で提供されている。 ・Call Outサービス  Call Outサービスは、Call Inよりもはるかに単純な仕組みだ。カード決済等でCall Out用のクレジットを事前に購入し、その残高がある間は自由に世界各国の番号へ電話を掛けることができる。  2007年9月現在の料金は、アメリカ、イギリスで1分あたり1.5セントと、国際電話を掛けることを考えれば格安だ(表1)。日本国内への通話も、若干高くなるものの1分あたり2.7セントだから、3分間で10円弱と比較的リーズナブルに利用できる。 ・60以上の国へ、無料通話キャンペーン  また、現在Gizmoプロジェクトでは、会員拡大のキャンペーンとして、表2に挙げた国々との無料通話を提供している。ただし、無料通話サービスの対象となるには、新規会員を勧誘したり、GizmoからGizmoへの通話を積極的に利用したりするなど、アクティブな会員であることが確認される必要がある。アクティブであると認定されれば、週に60分まで以下の地域に無料で電話することができる。  2007年9月現在、日本も固定電話のみではあるが無料通話の対象地域に入っているので、しばらくはこの恩恵にあずかることができるだろう。 Flexispy.Aとは  Flexispy.Aとは、2006年3月にヨーロッパで発見された携帯電話を狙った最初のスパイウェアの名称だ。これがインストールされると、その携帯電話で行われた音声通話やメールなどのコミュニケーションの情報がすべて外部のサーバに送信されてしまう。  実は、これは商用アプリケーションとして販売されているものだ。購入者は外部サーバにアクセスして、配偶者や恋人などの通話の相手やメールの内容を確認することができる。よって、販売企業は配偶者などの不貞行為を摘発するための「有用なツール」であると主張している。しかし、フィンランドのセキュリティベンダ、エフ・セキュアは、これを以下の理由から悪質なソフトウェアとし、同社のモバイルデバイス向けアンチウイルスソフトの削除の対象としている。 (1) インストール時に、そのプログラムが何であるかを携帯電話ユーザに知らせない (2) 携帯電話ユーザには、そのプログラムが動作していてもわからない (3) パスコードを入力しなければ、プログラムをアンインストールできず、パスコードは購入者にしか知らされない  Flexispy.Aは、ユーザ本人が知らないうちに、通話やメールの相手や内容などを傍受するわけだから、携帯電話に仕込まれる「盗聴器」のようなものだ。   脅威を増すモバイルマルウェア  このFlexispy.Aをはじめとする、携帯電話を狙ったマルウェアは「モバイルマルウェア」と呼ばれる。モバイルマルウェアが最初に確認されたのは、2004年春のこと。2004年後半より、欧米を中心に「スマートフォン」といわれる高機能な携帯電話が急速に普及したが、その販売台数の増加に比例して、モバイルマルウェアの数も増す一方だ。2006年10月には、350件近いモバイルマルウェアが確認されている。  最初に発見されたモバイルマルウェアは、携帯電話のメニューアイコンをすべてドクロのアイコンに変えてしまったり、いたずらにBluetooth接続をアクティブにしてバッテリを消耗させたりといった愉快犯的なものが多く、ユーザが感染にすぐ気づいて対処することができた。  しかし近年では、携帯電話の個人情報を盗み出そうとするスパイウェアや、有料サイトに勝手にアクセスさせるアドウェアなど、金銭狙い、犯罪目的のものが増加している。さらに、こうしたマルウェアは、長くとどまって多くの情報を盗み出すためにできるだけ気づかれないように振舞うため、発見が遅れがちだ。しかも、携帯電話は課金システムが確立しており、本体自体がユーザを認証する鍵としても使われるだけに、PCの場合よりもさらに危険性が高いといえる。請求書に法外な料金が記載されているのを見て初めて、有料サイトに接続されていたことを知るということもありうる。